大切なもの
「……そんなっ、千湖は女の子なのに!
残る傷だなんてっ!」
おばさんがなんで泣いているのかわからなかった。
けど、僕のせいだとはわかった。
「……お嫁にいけない」
俯いて、静かに泣くおばさんの小さな呟きは小さい僕にだけ聞こえた。
僕の行動で、ちいこの未来は限られてしまったの?
僕のせいで。
「僕、ちいこと結婚する!
ちいこを僕のお嫁さんにする!
そしてこれからずっと、ちいこを守り続ける!」