大切なもの
「……千湖、何言ってるんだ!」
「パパは黙っててよ!!」
こんなちいこは知らなくて、違う人を見ているようだった。
「償ってよね。
ちぃ君の一生で、私にしたこと償ってよ!」
一生償うほどの大きな罪だとか、そうじゃないとか、そんな事はどうだって良かった。
ちいこに傷を残したのは僕で、ちいこの未来を狭めたのは僕で、
ちいこにこんな事を言わせたのは僕で。
「……うん、誓うよ」
僕のせいで、罪だった。