大切なもの




「……告白?」

「うん」


千湖は僕が告白されたと知ると不機嫌になる。


「……あっそ」


ほら。
わかりやすくいじけるのは昔から変わらない。



「大丈夫。
誰とも付き合わない」

「……別に何も言ってないわ」

「うん」


けれど、千湖は嬉しそうに笑った。
それだけでも充分。



「僕は一生千湖の物だ。」


壁に預けた身体は、冷たさに熱が奪われる。


……寒い。
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