大切なもの



昔から運動神経抜群だった君は、トロい私の前にいつも居てくれていた。



「ちいこ、早くしろよ!」


いつもそうやって言うけど、結局は待ってくれていて、君が凄く優しいって知っていた。



だからどんなに傷付いても、それは本心じゃないんだってわかってる。


本当は私なんか連れて歩きたくないだろうに。

からかわれたくないだろうに。


ずっと我慢してたの、わかってたよ。
だけど、私はずっとずっと一緒に居たかったんだ。


君と、君だけと。
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