大切なもの
僕……矢野 千鳥(ヤノ チドリ)は普通の小3男子だった訳で、いっぱい遊びたかった。
全力で走って行きたかったけど、トロいちいこが居るから出来ない。
「は~や~く!!」
やっと公園に着いた時には、僕以外の皆が来ていて、既に遊んでいる。
いつも。
「千鳥、ま~たどーはんかよ!」
同伴。
意味もわからず使っていたんだろう。
僕自身、意味はわからなかったけれど、決して良い意味では無いとはわかったんだ。
毎回毎回そうで。
いつもいつも嫌だった。