大切なもの



「千湖、千湖が信じるのは誰?」

「……千鳥」


うん。
それだけで刺さったままの言葉は消えた。



「智也は?」

「クズ。ダメ人間」



充分だ。



「ちょっと待てよ!!
俺はクズってなんだ!!」


「千鳥、クズが何か言ってるわ。
早く行きましょう」

「仰せのままに」



それから本当に、無駄にデカイ声を後ろで感じながら無視して体育館に向かった。



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