大切なもの



「~~早く遊ぼうぜ!」


その日は本当にムカついてて、ちいこを構う事をしなかった。


「ちぃ君、私も……」
「だめ!
ちいこはトロいから遊んでやんない!」


皆が居るから。
皆が見てるから。


後で謝ればちいこなら許してくれるなんて、安易な考えを抱いていた。



「たかおにしよーぜ!」


鬼を逃れた俺は、逃げて逃げて、公園で一番高い木に登った。

ここなら全体も見渡せる。
鬼役が丸見えで、いざって時に逃げやすい。


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