大切なもの



……やった。


「お前すげぇよ!」
「1年のクセによくやった!」
「かっけぇな!」
「……ぉれだって1年生だもん。
普通の1年だもん」


先輩達が褒めてくれるなか、友達はいじけていた。


それより、千湖は見ててくれただろうか。
千湖の方を見ると、千湖もこっちを見ていた。


視線が交わる。


すると、千湖はあまり見せる事のなくなった満面の笑みと、中学生になって初めての……


「千鳥っ!
カッコ良かったよ!」



褒め言葉をくれた。


< 42 / 103 >

この作品をシェア

pagetop