大切なもの
……やった。
「お前すげぇよ!」
「1年のクセによくやった!」
「かっけぇな!」
「……ぉれだって1年生だもん。
普通の1年だもん」
先輩達が褒めてくれるなか、友達はいじけていた。
それより、千湖は見ててくれただろうか。
千湖の方を見ると、千湖もこっちを見ていた。
視線が交わる。
すると、千湖はあまり見せる事のなくなった満面の笑みと、中学生になって初めての……
「千鳥っ!
カッコ良かったよ!」
褒め言葉をくれた。