大切なもの



「……ッうぉ!!」


バランスを崩したように転倒した部長は、僕を押し倒す形で倒れた。



「「「「きゃーーーっ!!」」」」



今日一番大きな観客の声が張り裂ける様に聞こえた。

う゛。


「重いです」


長身で筋肉質な部長は重い。


「すまん!
だけどさ、俺が悪いんじゃねーからな!」


部長の後ろに黒い気配を感じ、見てみた。


「高嶺が押してきたんだよ」


うーん。
これはもしや……


「千湖、怒ってる?」


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