大切なもの



がみがみ上で言い合うばかりで、部長は退かない。
むしろ、身体に力んで重さが増している気がする。


「いつもいつも千鳥に気安く触るんじゃないわよ!!」

「矢野は高嶺のもんじゃねーだろうが!!」


その話してくれるなら、思い出して。
僕は下に居る。


「千鳥は私だけのものよ!!」


……じーん。


「矢野はものじゃねーだろうが!」


野花部長、そう言ってくれるのは嬉しいのですが……



「いい加減に……、してくださいっ」

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