大切なもの



謝罪の気持ちを抱きながら僕の上で言い争う二人を殴った。


部長には思い切りグーで腹を。

千湖にはかるーくデコピンで額を。



「いい加減にしてくれませんか?
……野花部長」

「は!?
俺だけ!?俺だけ怒られんの!?」


当たり前だ。
僕が千湖を責めたり怒ったりするわけがない。


「千鳥、痛いじゃない!」

「そんなに強くやったつもりはないんだけど……ごめん」


赤くもなっていない額を軽く擦る。
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