大切なもの



「まだ痛い?」

「……ん」


僕の冷たい手を当てていたら、千湖は最初より少し熱さを増させた。


「……熱?」


そう言うと、急激に頬が赤くなっていった。


「ちっ違うわよ!」


離れてしまった。
さっきまで触れていた手は温かくなった。



「最初から痛くなんかなかっただろーに」

「~~っるさい!!」


なんだか二人は急激に仲良くなったみたいです。



「仲良いね」


「「どこが!!」」

そこが。
言ってしまったら痛い思いをしそうだが言わないけどね。
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