大切なもの



勝手に上がってきた私を迎えてくれたのは、容姿に似合わない服装をした千鳥だった。


「着替えて!」


そんなに私を意識してないのかと言いそうになってしまうくらいダサい。


「……さっき着替えた」


星形のプリントで、幼稚園児が着るみたいなデザイン。


「私がコーディネートしてあげるわ!」


無頓着にも程があるわ!!


「わかった。
……勝手にして」


そう言うと、難しそうな本を読み始めた。
一緒に選んでくれても良いのに。
< 59 / 103 >

この作品をシェア

pagetop