大切なもの
「……入って良い?」
自分の部屋なのに追い出された千鳥は、ドア越しに許しを得ようとする。
「ちゃんと着替えた?」
「うん」
「なら良しっ!」
入ってきた千鳥はちゃんと着ていて、先程より格段にかっこよくなっていた。
「後は髪型よね」
着替えてボサボサになった髪を整えることをしないので、細い髪の毛は絡まりあっていて鳥の巣。
「ちょっとここに座って」
ベッドの端をトントンと叩き促す。
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