大切なもの



「あのっ!!」


歩いていた道の途中で、違う中学の制服を着た見知らぬ女の子に声をかけられた。


僕は多分、当事者なんだろうけど、傍観者の様に千湖と女の子を見た。


「僕?」

「は、はいっ!」


女の子が増々赤くなるにつれて、千湖の機嫌が悪くなっていく。


「何?」

「あのっ、〇☆中学1年の橋本と言います!」

「どうも」

「あのっ、こっこっこれっ!受け取ってくだしゃ、ください!!」


そう言って渡されたのは大きな紙袋2つ。
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