大切なもの
「それでは千鳥様があんまりだと思いますが」
「……っ」
あ。
右斜め下を見るとき、昔からのクセで…――
「ほら、黙り込むということは自覚してるのでしょ?だったら、「……あんまり千湖、苛めないで」
泣きそうなのを必死に堪えてるんだ。
「僕が良いから良いの。」
本当はね、この“クセ”を見ると抱き締めたくなる。
弱々しい千湖を守ってあげたくなる。
いつからかイケナイ思考も入り込んできた僕。
そして思い知る。
僕達はこのままでは居られないと。