ちっさいオッサンの奇跡
「相原、ありがと。
ちょっと行ってくるから、これだけ写しといて。」
今受け取ったばかりのチョコを机に放って、しっかり仕事を与えてから、アイツは行ってしまった。
ムカつく。
義理だとは言え、チキンだとは言え、もう少し喜んで欲しかった。
簡単に次の子の元に行ってほしくなかった。
ただのチキン野郎のただの独占欲。
彼女と付き合うと言ったアイツの顔は幸せそうで、殴りたくなった。
平静に与えられた仕事だけこなして、生徒会室を出た。