ちっさいオッサンの奇跡
「のどか先輩?
オレの机になんかありますか?」
清田くんの机の上に居座るオッサンにヤメロと念を送っていると、清田くんに不審がられてしまった。
「あー、いや、その、ガム、食べたいなーなんて、ね?」
咄嗟に机にあったボトルガムを指差す。
「それなら言ってくださいよ。
どうぞ。」
イイ男は快くボトルを差し出した。
爽やかな笑顔に後ろめたさを覚える。
「ありがと。」
ごめんね。
本当はそんなに欲しくないんだ。