ちっさいオッサンの奇跡

無言で他クラスに侵入し、アイツの元まで一直線。


「あ、相原…」

「福地くん。今日、16時半から会議だって言ったよね?あ、もし用事あるんだったらちゃんと会長に連絡してよ?福地くんのことだから遅刻なんてあり得ないと思うけど、一応探してきてって言われてさ。もうみんな揃ってるから、特別用事がある訳じゃないなら生徒会室来てね。じゃ。」


顔面に余所行きスマイルを張り付け、生徒会の人間しか感じない圧力をかける。


「いや、わかってる、んだけど、」

「相原先輩ッ!
あたしが先輩を呼び止めてたんです!

会議だなんて知らなくて…ごめんなさい!!」

勢いよく頭を下げる1年女子。


「そんな謝らないで。
あたしがイジメてるみたいじゃん。」



それだけ言って2人から離れる。


あーあ。
イライラする。



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