ちっさいオッサンの奇跡
オッサン、見える。
◆◆◆
「娘、また携帯が震えておるぞ。」
「放っておけばその内止まるから。」
どうせメールだろうから後で見れば良いや。
それより、今はこの両手を塞ぐ大量のプリントをどうにかしたい。
恐らく、てか絶対全部要らないプリントだ。
過去に、プリントを取っておいて得したことなんてまずない。
生徒会の書類はまだしも、英単語テストのプリントはポイだ。
「娘ー、止まらんぞー。」
未だ震える携帯の前でずっと見ていたのか、ゴルさんがあたしを呼んだ。