ちっさいオッサンの奇跡
オッサン、走る。
「なッ、にしてるんでしょうか?」
「あれ?
こんな体勢なのに冷静ですね。」
「騒げばなんとかなるってもんでもないでしょう。」
黙々と考えていたら、正面からイイ男の香りに包まれた。
「まぁ、それもそうですね。」
そう言って離れようとするあたしの身体を引き戻す。
「離しなさい。」
「さっき、何考えてたんですか?
…俊介先輩のこと?」
ドキッとした。
何なのこの子は。
エスパーなの?
「無言ってことは、そう言うことですよね。」
「なんで、わかんの?」