ちっさいオッサンの奇跡

「のどか先輩って、こんなに分かりやすいのに、なんで俊介先輩は気付かないんでしょうね?」


あたしの頭を撫でる手が少し震えていることに気付く。


「のどか先輩、もう限界なので言いますね。

オレは、のどか先輩のことが好きです。」


その言葉にパッと顔を上げると、いつも余裕たっぷりのイイ男の必死な顔が見てとれた。



「やっと、言えました。
ゴルゴさん、言えましたよ。」


今までどれだけ動き回っても離さなかった腕が、呆気なくほどかれた。



机の上に座って見てたらしいオッサンたち。

「ほっほっ
それは良かったのぉ。
役に立てたのなら嬉しいわい。」


ゴルさんが笑顔で髭を撫でる。



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