叶わない思い…
新学期
鎌倉見学
新しい学年、6年生になりクラス変えがあった。私は自分の名前とクラスを確認し列に並んだ。
「クラス違うね。」
私とすごく仲が良い愛奈だ。
愛奈とはダンスを一緒にやっている。気も合うし、可愛いし、友達もたくさんいるので私は愛奈をとても尊敬している。
愛奈は6年2組、私は6年1組だった。
「あーぁ、菜月がいないとつまんなぁい」
愛奈はいじけている。菜月とは私の事。
「みなさーん。クラス順に2列に並んでくださぁーい」
担任になった浅野先生だ。浅野先生は私が5年生の時も担任だった。とても優しい女の先生。
私は列に並んだのだが、2列なのに私の隣には誰も並んでいない。後ろからひそひそ声が聞こえたので耳をかたむけてみると、
「誰が菜月の隣いくー?」「えー私やだー」
「俺もやだー」
などと口々に言っている。それを言っていたのは、クラスで目立つ女子数人と数人の男子だった。その中にあいつはいた。
そんなあいつが私にとって特別な存在になるとは思ってもいなかった…。
校長などの話が終わり、クラスに行くことになった。
初めての6年生の教室なのでまだなれていなかった。席は初めのうちはどこに座ってもいいと言われたので私は廊下側に座った。
やっぱり私の隣に座ってくれる人はいなかった。
私はずっと一人でいた。