羊の皮を被った狼。
ヒロインともなれば練習量はいつもより増す。毎日毎日夜遅くまで練習だ。
疲れるけど、はるちゃんがレモンのはちみつ漬けを作ってくれるからへっちゃらさ!!
「あ!!」
はるちゃんが急に小さく叫んだ。
「どうしたんだい!!はるちゃん!!」
「あのね…あのね…浬先輩…怒らないで聞いてくれる??」
「怒んない!全然怒んないから言って!!」
ウルウルおめめのはるちゃんの肩をゆさゆさと揺さぶる。
「今日、はちみつ切れちゃって…砂糖だけど…いい?」
「…!!全然いいに決まってんじゃん!!」
ビックリしたー。はるちゃんになにかあったのかと思った。
アタシははるちゃんの頭をこれでもか!ってくらいに撫で回した。
髪の毛がグシャグシャに
なっても、やっぱりはるちゃんはかわいいのだった。
「よっ!!なにやってんの?おぉ!鈴野かーお前等仲良いよなー」
練習で汗をかいたからか、いつもは下ろしてる前髪をピンで止めた白崎先輩がやって来た。
「そうですよー白崎先輩なんて入れないくらい仲良しです」
「ん?お、おぉ、そうか!!」
「はるちゃんったらー♪♪」
かわいすぎ!
もう食べてしまいたい!
「レモン一切れくれ!」
「どーぞどーぞ(食うな)」
タッパーに手を伸ばした白崎先輩はピタリとその手を止めた。
「白崎先輩?どうかしたんですか??」
「んー?…なんか、寒気してよー…じゃあな!!」
結局食べずに練習に戻る先輩。
「じゃあアタシが全部食べちゃお」
「…ふふ、はい。あーん」
「え!?い、いいよいいよーっ自分で食べるから」
「食べて、くれないの?」
「食べます!いただきます!」
「(ニヤリ)はい、あーん」
「あーん!」
はるちゃんんんん!!あなたはアタシをキュン死にさせるのがお好きなようですね!