羊の皮を被った狼。
この日からか…なんだか三年生の先輩から地味な嫌がらせが始まった。(女子)
わざとぶつかったり、アタシの話だけシカトか適当に聞く。
えぇ!!なんで!?泣いていい!?
泣くぞ!このドS!
三年生にはドSが多いみたいだ。
「違ぇだろ。それ絶対嫌がらせだろ」
「そうなの!?」
「あぁ、ソイツ締めてやろうか」
「ダメダメ!絶対ダメ!ってか、嘉菜は本当にやりかねないから!!」
この子は親友の、安田美姫(やすだ かな)。
喋り方は男の子っぽいけど、本当は照れ屋さん。
そして何よりかっこいい!!そこらの男子より嘉菜の方が断絶かっこいい。
美姫はパッキンで、サボり魔な一応不良。そんなところもかっこいい!
嘉菜は校則破りまくりだけど成績良いから教師もなんとも言えないのだった。
「王子役が…し、白崎なんだろ?」
「うん!」
心なしか頬が赤い嘉菜に気づかないバカなアタシ。
「そいつが王子役だから、三年のバカ共が嫉妬して嫌がらせしてんじゃねぇの?」
「はぁー…だとしたら、次の公演が終るまでの辛抱だね…」
「なんか特定的なことしてきたら、すぐ俺に言えよ?しめ…ごほんっ。注意するからな?」
しめるって言いかけたような気がするんですけど…。まあ、聞かなかったコトにしよう…。
「ありがとう!嘉菜大好き!」
ぎゅうっと抱きつくと、嘉菜はそっぽ向いて「別に」と呟いた。
照れちゃってー!かわいいな!もうっ!