ざけんな!〜イケメン教師VSぽっちゃり生徒〜
米倉は「何もなかったんやけどな」と、私に念を押すように言い残し、由香里を連れて帰って行く。

私は重い腰を上げ、スクールバックを持ちながら、教室を出た。

靴を履き替え、悠陽のロッカーに取り残されたラブレターを手に校舎を出ると、体育館へ向かう元ちゃんに遭遇した。



「さいなら…」



俯き、帰ろうとする私に、元ちゃんが「待て」と言った。

私が振り返れば、元ちゃんは「家で何かあったんか?」と訊いて来た。

首を振れば、「そんなら笑って“さいなら”してや」と言われる。

…笑顔なんて、來未ちゃんから見せて貰ってたやんかっ!
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