‐Ever Lasting‐
少なくとも生きる希望を見いだせずにいた私の心には深く染み渡った。



優しい音色、だけど強くもある音色。


「青春の輝」



立ち際に男の人が確かにそう言った。




「この曲の名前。」





「青春の輝…」

「さ、器運んできてくれ、俺も一緒に洗ってやるから。」



豪快な笑顔が似合う人だ。


「そこまでしてもらったら悪いですよ。」


「親父を誉めてくれたお礼だよ。」




言葉に圧されて私は何も言い返せなかった。お礼を言わなければいけないのは私の方なのに。




まだ動く事は辛かったが、そんなわがままを言う程私は馬鹿ではない。


片手にバッグ、片手に器を持ち、男の人の後をついていく。

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