‐Ever Lasting‐
皿洗い自体はすぐに済んだが、お昼時で厨房中は目が回るほど慌ただしい。


私も手伝うと言ったが、こんなのはいつもの事だと一蹴された。


「このまま帰るのは流石に気が引けるわ…」




「ではどうしますか?」



「うーん…クロ、何かいい案出ない?」




「ふむ…いい案ですか。」


厨房に居ると邪魔になるので先程まで座っていた席に戻り考える。



「生け花…というのはどうでしょう?」


「私そんな器用じゃないわよ。」


「凝らなくても外に咲いている向日葵でも十分綺麗です。一本だけ頂いてきませんか?」



確かにお世辞でも店内は華やかとは言い難い。


「そうね。一本だけなら良いでしょう。」



「では、行きましょう。」



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