‐Ever Lasting‐
向日葵の周りの土は少し水を含んでぬかるんでいる。

昨日私が寝てから雨が降ったんだ…

「私が穫って来ましょうか?」



そうクロは言ってくれたが私は首を横に振った。


自分でちゃんと穫りたい。一つの命を奪うんだからそこは適当にしたら何だか駄目な気がする。





「よし、君にしよう。」




ハサミで切るなんて考えは私には無い。根っこを土から優しく手で掘り出す。

泥だらけの両手で顔を擦ったから恐らく酷いことになっているだろう。


「…変わりましたね。あなたは。」



思わず「え?」と聞き返してしまった。



「街に戻りますか。」


聞いてもどうせ答えてくれないんだからいいや。


「そうだね。戻ろっか。」


靴も手も顔も泥だらけになったけど別に嫌ではなかった。
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