Fahrenheit -華氏-
■Anger(怒り)
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週が明け、月曜日
ヤバイ!ヤバイやばい、やばい……
柏木さんに他の女とのキスシーンを見られた。
俺は今日どんな顔して柏木さんに会えば……?
「おはようございます」
柏木さんの声がして俺は飛び上がらんほどびっくりした。
「お、おはよ…」
柏木さんは相変わらずのマイペースで椅子に腰掛ける。
俺は横からそっと柏木さんを伺った。
「……あ、あのぅ柏木さん。金曜日のことだけど……」
柏木さんは一瞬何のこと?と言った風にキョトンとした。
え……?もしかして俺だって気づいてなかった??
しかし、すぐにちょっとだけ目を細めると、
「ああ、車でのことですね?」とそっけなく答えた。
やっぱり――――!!
俺だって気づかれてた!!!
「気にしないでください。私誰にも言いませんから」
と相変わらずの冷たいお言葉。
「いや…あのね…」
それでも何とか弁解したくて俺はあたふたと手を動かせる。
「別に私も気にしていません。部長がどこで何をしようが勝手ですから」