Fahrenheit -華氏-

「んー……もう少し…」


と言って柏木さんは一生懸命手を伸ばしている。


綺麗な細い指がファイルを掴もうと必死だ。


って言うか柏木さん何で今日パンツなんだよ。


スカートだったらこの位置から中が見えるのに…


って、俺は変態かっ!!


でもどーしても視線がお尻の辺りを彷徨ってしまう。


キュッと上がった小さなお尻。


ん~~~……これはこれでいいカモ♪


「……部長、どこ見てるんですか」


柏木さんはくるりと俺を見下ろすと、冷めた視線を投げかけてきた。


「い…いやぁ…大丈夫かな?って、へへっ??」


俺は慌てて言うと、へらっと笑った。


「まったく…セクハラですよ……」


と言い終わらないうちに、





グラッ




脚立が傾いた。


「わ!」


「キャっ」


柏木さんの短い声が聞こえ、俺は咄嗟のことに両腕を出した。


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