Fahrenheit -華氏-

「Hi Ruka! Nice to meet you.(ルカ。初めまして)」


「How do you do, Jenney? I'm pleased to meet you.(初めましてジェニー。お目にかかれて光栄です)」


柏木さんと金髪美女が抱き合って、互いの両頬にキスを交わす。


ちっとも不自然じゃない行為。


慣れたもんだ。





挨拶―――かぁ……






「すごい……金髪だぁ目もきれいですね…美人ですし」


佐々木が俺の隣で顔を赤くして二人の様子を見守っている。


「Introduces to you. This is Mr. Kanna, that is, my superior. He is colleague's Mr. Sasaki.(紹介します。こちらが私の上司のミスター神流。こちらが同僚のミスター佐々木)」


柏木さんは手で俺たちを促すと、


「ニューヨーク支社のジェニー・パターソンです。メールや電話ではお話したことが何度かあるのですが、お会いするのはこれが初めてです」


と説明を添えてくれた。


「Nice to meet you.」にっこり微笑んで手を差し出すと、ジェニーも同じように笑って手を握り返してくる。


佐々木も俺と同様に握手を交わす。


ジェニーは俺を値踏みするようにちらりと上から下まで視線を走らせた。


「Your rumors are heard from Ruka.You are younger than it is handsome and imagined it. (ルカから噂はかねがね。なかなかハンサムで、思った以上に若いのね)」


「A pleasure.(光栄です)」


俺は営業用のスマイルを浮かべてにっこり笑った。


ジェニーがゆっくり話してくれたのもあるけど、柏木さんの言った通り、三ヶ月近くも柏木さんに張り付いてりゃ、身につくもんだな。








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