Fahrenheit -華氏-
いやいやいや柏木さん?脱がすのも醍醐味であって……
って、ま、いいかぁ。
自分で脱ぎますっていうのも何かエロくていい♪
「向こう向いてて下さいね」
柏木さんはちょっと振り返ると、俺に念を押した。
「はい」
大人しく言われた通りにする。
俺も脱いでおくかな…そう考えて、シャツのボタンに手をかける。
って、何で俺たちこれからセックスしようとしてるのに、背中合わせで服脱いでるの?
でも……何かこうゆうのって…初々しいな。
俺の初エッチの相手もそう言って背中向いてたっけ。
急に心が暖かくなって俺は顔をほころばせた。
でも……
ホントに脱いでるのかな?
気になってちらりと柏木さんの背中を見る。
柏木さんは七分丈のブラウスを脱いでいる最中で、腕からするりと袖を引き抜いていた。
おぉ!何かエロい。
華奢な白い背中が見えて、濃い色のブラが見える。
背中に手を回して、器用にブラのホックを外そうとしたところで、出し抜けに柏木さんが振り返った。
目を開けて、唇をきゅっと結んでいる。
「み、見ないでくださいって言ったでしょう!」
そう言った柏木さんの顔は、ダウンライトの光だけでも分かるほど赤くなっていた。