Fahrenheit -華氏-
ってか!なんかいい!♪
俺のシャツを羽織る柏木さん♪
可愛すぎだろ!
なんて考えるのもつかの間。俺ははっとなった。
「あ…ごめんね?柏木さんが起きる前に帰ろうかと思ったけど…」
「そうですね」
柏木さんは表情を変えずにサラリと言う。
グサッ!
相変わらず柏木さんの言葉はキビシイ。
でも
いつもの柏木さんだ。
俺はちょっとほっとした。
って、冷たくされてるのにほっとする俺ってどうよ!?
やっぱ俺ってM!?
「あ~…迷惑ついでに悪いんだけど、シャワー貸してくれる?」
喜んだり落ち込んだりしてる忙しい俺は、とりあえず頭をすっきりさせよと柏木さんに申し出た。
迷惑そうにされるのを覚悟で。
でも柏木さんはそんな素振りちっともみせずに、
「いいですよ」と言って立ち上がった。
図々しい俺の言葉にも柏木さんは嫌な顔をしなかった。
てか、分かんないだけかもしれないけど。
バスルームに案内され、
「どうぞごゆっくり」と言って引き返そうとする柏木さんに、
俺は閃いて彼女を引き止めた。
「柏木さん、一緒に入る?」