Fahrenheit -華氏-
「ぎゅ~♪」
俺は柏木さんを堪能するように抱きしめて、思わず囁いた。
「ぎゅー…」
柏木さんの腕が俺の背中に回される。
俺
今幸せだぁ。
すっげー幸せ。
こんな幸せを
手放そうとしていたんだな。
好きだ。
この人を離したくない。
だったら絶対に手放しちゃいけない。
これからはどんな困難が待ち構えていようと―――
俺は決してこの手を離さない。
決して―――
……とまぁ若干ストーカーチックな言葉を心の中で誓い
それでも俺はすごく幸せだった。