Fahrenheit -華氏-
柏木さん……
柏木さん
柏木さん―――
何度呼んでも呼び足りない。
何度繰り返しても愛おしい。
君のことを考えると、俺の心はほんわか温かくなる。
ちくちくしたり、ドキドキしたり……
今まで感じなかった感情に俺はいつだって戸惑った。
でもそれと同時にすごく苦しいんだ。
気持ちが溢れ出す。
とめどなく。
真っ暗だった俺の心に赤いガーベラの花びらが一枚だけ宙に舞った。
告白シナイ
俺は彼女を抱きしめて、耳元まで顔を近づけると、彼女の柔らかい髪をそっと掻きあげ俺は耳元に口を近づけた。
「瑠華―――
君のことが
好きなんだ」