Fahrenheit -華氏-
でも彼はあたしの、まだまだたくさんある秘密を知らない。
知ったらきっと―――
その気持ちが錯覚だということに気づく筈……
そう思うと
何だかとても悲しかった。
午前6:00―
そんなことを考えながらベッドでごろりと身もだえする。
いつもならとっくに起きている時間なのに。
体が重くて力が入らない。
おまけに体の関節もきしきしと鳴りだしそうな程、痛い。
昨日はベッドに入ったものの、一晩中考えていて結局眠れなかった。
ただの睡眠不足―――
にしちゃ、このだるさは異常だ。
喉もちょっと痛い。
呼吸するたびに熱い息が洩れる。
嫌な予感……
そう思って念のため体温計で熱を測ってみると、
38.3℃
やってしまった―――