Fahrenheit -華氏-
俺は柏木さんが笑った顔が好き。
元々好みの顔ではあるけれど、笑うと本当に可愛いんだ。
その瞬間、俺は彼女の腕を引き、彼女を胸に掻き抱いた。
強く、強く―――抱きしめる。
彼女の柔らかい髪に手を差し入れ、頭を引き寄せた。
「俺っ!俺…傍に居る!!柏木さんの傍にずっと居るから!!」
俺は彼女を強く抱きしめながら、固く誓った。
「柏木さんが嫌だって言っても離れないから!!!」
柏木さんの腕が俺の背中に回って、彼女もきゅっと俺を抱きしめた。
俺の若干ストーカーチックな発言に、小さく笑い声を漏らす。
「宜しくお願いします」
そう囁いたのを聞いて、俺の腕から彼女を解放した。
改めて見つめて
俺は柏木さんにキスをした。