Fahrenheit -華氏-


俺は柏木さんが笑った顔が好き。


元々好みの顔ではあるけれど、笑うと本当に可愛いんだ。





その瞬間、俺は彼女の腕を引き、彼女を胸に掻き抱いた。


強く、強く―――抱きしめる。


彼女の柔らかい髪に手を差し入れ、頭を引き寄せた。


「俺っ!俺…傍に居る!!柏木さんの傍にずっと居るから!!」


俺は彼女を強く抱きしめながら、固く誓った。


「柏木さんが嫌だって言っても離れないから!!!」


柏木さんの腕が俺の背中に回って、彼女もきゅっと俺を抱きしめた。


俺の若干ストーカーチックな発言に、小さく笑い声を漏らす。





「宜しくお願いします」





そう囁いたのを聞いて、俺の腕から彼女を解放した。


改めて見つめて





俺は柏木さんにキスをした。






< 523 / 697 >

この作品をシェア

pagetop