Fahrenheit -華氏-
■Purpose(理由)
帰ってからも、『無事家に着きました~』と互いにメールで報告。
朝になったら、顔が見える。
それなのに、俺は24時間彼女と一緒に居たいと思うほど―――溺れてる。
今日は金曜日。明日になったら土曜日。
デートの約束は取り付けたものの、お互い仕事が残っているので休日出勤は免れない。
明日は午前中仕事をして、午後からデートだ♪
しかも、しかも!!
「俺んち来る?」とダメもとで誘ったら、
「行きたいです」なんて好感触。
「お泊りで来ます?」と更に誘ってみたら、
「お泊りの用意持っていきます」と笑顔が返ってきた。
って、幸せボケしてる場合じゃない!!今日やれることはやっちまおう!
そんなわけで俺は朝から猛集中。
柏木さんはマイペースに仕事をこなして、午後からはまた打ち合わせとかで席を外した。
但し、今度は東星紡じゃない。経理部の連中に呼び出されたってわけだ。税関を通す際の手数料の不備について、だとか。
それに伴い、佐々木は国税局に出向いている。
つまり今は俺と緑川さんと二人きりってわけ。