Fahrenheit -華氏-


足ツボマッサージなんて俺は初体験だ。


最初聞いたとき、怪しい店を思い描いていたけれど、この店はエステ店みたいにきれいで清潔そうな店だ。


お店のお姉さんたちも美人揃い♪


なのに……足裏を探る手はなんて力強いんだ!!


いってぇよ!!


隣で同じようにリクライニングチェアでマッサージしてもらっている柏木さんをちらりと見ると……


ね、寝てる!??


ありぇねぇ!なんでこんな苦痛の中眠れるの??


柏木さんの白い足は、俺と違ってほっそりと小さかった。赤いペディキュアが綺麗に塗ってある。


小せぇ足…


「柏木さまはここの常連さまです。二週間に一回はご来店くださるんですよ」


と俺の足元で指の第一関節を巧みに操りながら、ごりごり俺の足裏を攻め、お姉さんはにこにこ。


「はぁ。どうりで慣れてるはずだ…いってぇ!」


「ここは胃のツボです。お客さま、弱ってますね~」なんて言いながらもゴリゴリ…まるで手加減がない。


女とのデートで足ツボマッサージに来たのなんて初めてだ。


さすが柏木 瑠華。デート内容も並みの女とは違うぜ!


でも…




いってぇーーーー!!!!














< 557 / 697 >

この作品をシェア

pagetop