Fahrenheit -華氏-
店はオフィスの近くの、これまた会社の経営する直営店の居酒屋に予約してある。
経理課の連中とは、店で待ち合わせることになっているので、俺達外資の人間は四人でぞろぞろ歩いて移動。
途中のコンビニで、佐々木が“ウコンの力”を買って飲んでいた。
俺もそれにならう。
これ、ホントに効くんだよな。二日酔いのときはもちろんだけど、酒を呑む前に飲むと酔っ払らわない。(※効き目には個人差があります)
「部長は強いじゃないですか」と佐々木が探るように俺を見てくる。
「うるせぇ」と一言言って思わず佐々木を睨んだ。
今日はぜってぇ酔っ払えない理由があんだよ!!
「タピオカって何で黒い色してるんでしょう…ピンクとかだったら飲み易い気がするのに」
と、まだタピオカが気になってる瑠華ちゃん。
って言うか、ピンクのタピオカなんてそっちの方がキモイよ。
って…そろそろタピオカから離れようよ~
「あ。でも白いのもありますよ」
と佐々木がにこにこしてさりげなく瑠華を道に促した。
佐々木!てめっ!
すかさず俺の隣にシロアリみたいにすり寄ってきたのは緑川。
「部長はお酒強いんですかぁ?葉月は弱いんですよぉ。酔っ払ったら介抱してくださいね♪」
とこっちも絶好調。
瑠華―――タピオカどころじゃないかもーーー!!!