Fahrenheit -華氏-

緑川……


今まで気づかなかったけど、だいぶ酔ってるな。




あーっ!!もうっ!マジで勘弁してっ!!お前はっ!何なんだよ!!


ってかいつまで上に乗ってんだよ!俺の上から退け!!


俺の上に乗っていいのは、瑠華だけだっ!(←ベッド限定)←サイテー!



「……で…でもあたし……ホントに部長のこと………」


ひっくひっくとしゃくりあげる緑川の両腕を持ち、俺は彼女を持ち上げようとした。


こんな場面誰かに見られでもしたら洒落にならん。


まぁ誰も居ないケド。


「分かったから。もう一回きちんと話そう。とりあえず退いて」


むっ…結構重い……


小柄な瑠華を抱き上げるのに、慣れてたからな。160㎝以上ある緑川の体は思った以上のウェイトだ。


「部長!」


緑川は俺の腕を振り払うと、倒れたままの俺に覆いかぶさってきた。


んぎゃ~~~!!


瑠華より豊満な胸が当たって、マジで窒息死しそう。






「あたしっ!あたし本当に部長のこと好きなんです。部長が彼女のことを大切にしてるってこと分かります。


だから二番でもいいから、あたしを彼女にしてください!!」






な、何を言い出すんだ~~~この酔っ払い!!!


俺の彼女は瑠華一人で充分っ!!!






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