Fahrenheit -華氏-
黒白チェックで、サイドが紐のリボン結びの下着。
キャ~!!紐っ!
ほどきてぇ。
「Don't touch me.(触るな)」
まるで刺されるような冷たい物言いで言われ、俺は慌てて手を離した。
「はい!すみませんでしたっ!!」
あれ…でも……
覚えのある感覚に、俺は喜んだ。
俺元気!!超元気っ!もう元気過ぎて困るぐらいっ!
「…………」
俺の膝の上に頭を乗せていた瑠華がちょっと眉を吊り上げた。
「説得力ないですね」
グサリと一言。
どうやら気配を察したようだ。
「そりゃそーでしょ。だって好きな女が俺の膝で寝てるんだよ?反応しないほうがおかしいって」
開き直って笑ってみせたけど、内心ひやひや。
瑠華は緑川と何もなかったって信じてくれたかな。
「信じますよ」
瑠華がちょっと苦笑して俺を見上げてきた。
「あなたは冗談は言っても、あたしに嘘ついたことないから」