Fahrenheit -華氏-
人の気持ちは不変じゃない。
簡単に離れて、簡単に壊れる。
永遠なんてどこにも存在しないんだ。
俺が瑠華に抱く不安を、彼女も俺に同じように抱いていた。
臆病なのは俺だけじゃなかった。
同じものを感じていることにちょっと嬉しさを感じたが、
それ以上に彼女にそんな不安を与えてしまったことが
情けなく、腹立たしかった。
どうしたらいい?
どうしたら不安を払拭させられる―――?
どうしたら―――……