Fahrenheit -華氏-
「瑠華っ!!」
がばっと瑠華に覆いかぶさり、彼女をベンチに押し倒した。
「ちょっと!!何やってるんですか!不謹慎ですっ!!!」
バッチーン!
しんと静まり返った聖堂に頬を張る音が響いた。
俺は派手に平手打ちを喰らったってわけだ。
俺、昨日から女に殴られてばっかり。ま、いいけどね。
涙目になってちょっと顔を上げると、
聖母マリア像とばっちり目が合った―――ような気がした。
その目は慈愛に満ちた温かいもの―――
ではなく、冷たく蔑まれているような…
『Kiss my ass.(くたばれ)』
と言われてる気がして、俺は思わず苦笑い。
はは…この関係は―――
一生変わらないなぁ♪