月影
プロローグ
「はい、オッケーです!」
『お疲れ様ですー!』
熱気の溢れる現場で、玲子は声高に叫んだ。
スタッフやタレントたちは、少しだけ疲れた表情を見せていたが、無事に撮影が終わったことで、皆、笑顔で後片付けに入っていた。
「あ、そうそう。私、明日休みもらうから」
「えっ!?こっちこないんすか?」
アシスタントの小川が驚いたように聞いた。
仕事人間で、自分の撮りがなくても必ず顔を出し、人手が足りなければ雑用から裏方まで何でも手伝い、仕事をする。
タレントからも、スタッフからも人望は厚く、どんなことも嫌な顔ひとつせずに働く優秀なディレクター。
そんな人物が、休みをもらうと言ったのは、例の事件が発生して以後、初めての出来事だった。
『お疲れ様ですー!』
熱気の溢れる現場で、玲子は声高に叫んだ。
スタッフやタレントたちは、少しだけ疲れた表情を見せていたが、無事に撮影が終わったことで、皆、笑顔で後片付けに入っていた。
「あ、そうそう。私、明日休みもらうから」
「えっ!?こっちこないんすか?」
アシスタントの小川が驚いたように聞いた。
仕事人間で、自分の撮りがなくても必ず顔を出し、人手が足りなければ雑用から裏方まで何でも手伝い、仕事をする。
タレントからも、スタッフからも人望は厚く、どんなことも嫌な顔ひとつせずに働く優秀なディレクター。
そんな人物が、休みをもらうと言ったのは、例の事件が発生して以後、初めての出来事だった。
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