月影
「あれ?深幸ちゃん、出ない?」

聞かれて小太郎は頷くと、携帯をそのままテーブルの上に置いた。

「忙しいのだろう」

「そっか、残念ね」

玲子が言うと、小太郎は少し考えた後、そうだな、と呟いた。

「今度、深幸ちゃんに、家に遊びに来るよう、誘っておいてね?」

玲子の言葉に、小太郎は首を傾げた。

「まぁ、彼女受験生らしいから難しいかもしれないけど、私ももっと話してみたいし」

微笑む玲子を見て、小太郎は小さく頷き、わかった、と呟いた。

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