月影
「ちょっと野暮用で出かけるから、東京には居ないのよ。あ、緊急以外は電話してこないでね。電話あってもとんないから。じゃ、お先!」

緊急でかけても、それじゃ電話に出ないってことじゃないですか、と突っ込まれたが、私は気にせず、言いたいことだけ言い切って仕事場を後にした。

後ろの方が、なんだかガヤガヤとうるさかったが、そんなことは気にしない。

バタバタと駆け足で1階まで降りると、入り口に止まっていたタクシーに乗り込み、羽田へと向かった。


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