月影
「は!?うそ、マジで!?」

「あ、そうそう、こないだ言ってた人、名前わかったよ!」

これ以上は面倒くさそうだと思い、早々に話題を切り替えようと、手をパン、と叩いて言う。

「こないだ言ってた人…って、深幸が気になる人に会ったって言ってた?」

芽衣に聞かれて、深幸は頷いた。

「え、すごい!また会えたってこと!?」

「うん。あのね、その人、コタロウって言う名前なんだって」

深幸の言葉に、芽衣は目を輝かせながら頷いた。

「コタロウさんかぁ…ね、どんな人?」

あれこれと聞いてくる芽衣。
が、ちょうどそこでチャイムが鳴った。

「席に着けー」

それと同時に、先生が教室に入ってきた。
芽衣はぷぅっと頬を膨らませながら、しぶしぶと自分の席へと戻っていった。

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