月影
「なんでこんなところにいるの?」

聞かれて、深幸は面倒くさそうに、待ち合わせ、とだけ答えた。

「君、本当に政宗の妹?」

そういうと、怜は深幸に向かい合うようにして座った。

「それがなに?」

顔を上げずに答える深幸。その態度に少しムッとした顔をする怜は、深幸の見ていた教科書をひょいっと取り上げた。

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